大学の同期で一番早く結婚したともだちは、24歳で式を挙げました。卒業して二年足らずでしたので、同期の面々はうらやましがるよりその思い切りに感心していました。

皮肉なことに、結婚式当日の新聞に「離婚率増加、3組にひと組は離婚へ」と出てしまったので、
同い年のふたりの若い結婚は、ご両親にとっては心配含みだったようです。

しかし結婚からすぐ女の子が生まれ、ともだちは転勤を繰り返しながら順調に肩書きが増え、
結婚同様マイホームも一番乗りでした。娘さんは元気にかわいらしく育ち、
マイホームのお隣は奥さんのご実家と、いつしか同期がうらやむご夫婦になっていました。

転機が訪れたのは、5年ほど前です。ともだちの勤める会社が海外展開を始め、
ともだちに中国への赴任話が持ち上がったのです。

娘さんは小学校に上がろうという年齢になっていました。

赴任先は大都市から離れており、大人は問題なくとも、
日本人学校があるわけでなく、せっかくできた近所のお友達と別れさせてしまうのはかわいそうだと考え、夫婦で単身赴任を決めました。

ひとり暮らしの経験がほとんどなかったともだちは、仕事以上に毎日の生活が苦労だったようでした。
赴任して2年目に、体を壊して入院してしまいます。

退院したあと、あらためて夫婦で話し合い、奥さんが娘さんのケアをがんばると決めて、
家族揃って中国で暮らし始めました。

すると病気はすっかりよくなり、娘さんは心配だった学校にあっというまに慣れ、ともだちはまたひとつ肩書きが増えました。

中国からのメールには家族のうれしそうな笑顔が写っていて、ベテラン夫婦の絆を感じさせてくれています。